過去の問題と優秀解答

平成二十九年(2017年)

平成二十九年 問題 一

東大寺の大仏様の手には「水かき」があります。これには「厳しい修行を乗り越えた証」と「人ひとりも漏らすことなく人々を救う」という二つの意味があると言われています。さて、大仏様が両手で水をすくいあげるとき、何L(リットル)の水をすくうことができるでしょうか?

解答例

大仏様と人間の手の大きさを比較して答えを求めることも、解答例の1つです。また、自分ですくう場合はどのくらいの水をすくうことができるか、実際に試してから挑戦しましょう。

最優秀解答

五目焼きそばサイコーラーメン探検隊(20人)さん(14歳)

五目焼きそばサイコーラーメン探検隊(20人)さんの解答

※イラストが上手に描かれていたので、解答の原文をそのまま掲載いたしました。

講評

イラストが多く、また水かきのようすを工夫して求めている解答です。グラフを用いて解答を表現している点はユニークで、視覚的にわかりやすく伝える配慮をしていると判断できます。また答えを範囲で求めているなど個性あふれる表現です。

優秀解答

柴田 真優さん(小学6年生・11歳)

柴田 真優さんの解答

※イラストが上手に描かれていたので、解答の原文をそのまま掲載いたしました。

講評

手ですくった水の形を柱体として水の体積を計算している解答です。また、手の形を長方形と捉えるなど、図形をかなり簡略化していますが、水かきを扇形として面積を計算している点は評価できました。

平成二十九年 問題 二

日本古来の伝統文化には、「香道(こうどう)」という天然香木の香りを鑑賞する芸道があります。香道においては香を「聞く」と表現し、香木の香りを聞き、鑑賞する聞香(もんこう)と、香りを聞き分ける遊びである組香(くみこう)の二つがおもな要素であるといわれています。香木は生き物でその一つひとつに魂が宿ると言い伝えられています。この稀少な天然香木を敬い大切に扱う、そして大自然の恵み、地球に感謝し、彼らが語りかけてくることを聞き取らなければならないと考えられています。天然香木の中でも天下第一の名香と呼ばれている蘭奢待(らんじゃたい)が、東大寺正倉院(現在は宮内庁が管理)に収蔵されています。蘭奢待については下図のことがわかっています。これらの長さ、重さをもとにしたとき、蘭奢待の平均密度はどのくらいであると考えられますか?

蘭奢待という名称は、その文字の中に東大寺の名を隠した雅名(風流な呼び名)です。

優秀解答

狩山 勝さん(54歳)

狩山 勝さんの解答

※イラスト・図表が丁寧に表現されていたので、解答の原文をそのまま掲載いたしました。

講評

応募者の大半は、円柱、円錐に近似させることにより密度を求める方法で考えていました。これに対し、与えられた図に方眼を当てることで、密度を求めるのに必要な要素を細かく求め、その上で別の視点からの写真をもとに、より正確に密度を求めていく方法は非常にすばらしい考え方であったと思われます。

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