過去の問題と優秀解答

平成二十八年(2016年)

平成二十八年 問題 一

古来、大仏様を代表とする坐像は立像の半分にするように造られていました。
この情報をもとに、東大寺の大仏様が東海道五十三次を歩くとすると、始点となる日本橋から終点の三条大橋まで何日で行き着くことができるでしょうか?

解答例

成人男性の一般的な歩く速度は、およそ時速4kmといわれています。また宿村大概帳という文献によると、東海道の距離は495.5kmになるそうです。これらのことをふまえたうえで、大仏様に置き換えて計算し、答えを求めることも1つの解答例です。ただし、大仏様が1日に何時間歩くのか、途中で休憩するのかなどを計算に含めるかはみなさんの考え方次第です。

優秀解答

まードクターさん(57歳)

まードクターさんの解答

講評

3つの異なる解答は、計算的なアプローチから現実的なアプローチとバリエーションがあり、最終的な解答についてはユーモアを盛り込んだものを選択しており、当協会がねらいとしている柔軟な考え方を見事に表現している解答でした。

優秀解答

福田 光汰さん(小学5年生・10歳)

福田 光汰さんの解答

※イラストが上手に描かれていたので、解答の原文をそのまま掲載いたしました。

講評

解法の過程がとてもわかりやすく、イラストを盛り込むなど審査員への配慮が感じられるほか、大仏様への気遣いも考えているなどさまざまなことを考慮できている解答でした。

優秀解答

堀尾 春人さん(小学6年生・11歳)

堀尾 春人さんの解答

講評

大仏様と平均的な日本人の体形とを対比して、その歩幅を計算して解答を求めるという方法が多いなか、 自分なりのしっかりとした前提条件を立ててアプローチしているすばらしい解答でした。

平成二十八年 問題 二

ここ東大寺には、「華厳五十五所絵巻(けごんごじゅうごしょえまき)」の一部が現存しています。この絵巻では善財童子(ぜんざいどうじ)が文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の勧めで多くの指導者を訪ね、最後に普賢菩薩(ふげんぼさつ)のもとで悟りを開く様子が描かれています。 この五十五所にちなみ、多面体の頂点を一所と見立てた、五十五所の頂点がある立体があるとします。この立体の体積が最少となるときの値を求めなさい。なお頂点と頂点を結ぶ辺の長さはすべて1とします。

【参考】 図は頂点が60個ある多面体(斜方二十・十二面体)のイメージ図です。

優秀解答

狩山 勝さん(53歳)

狩山 勝さんの解答

※イラスト・図表が丁寧に表現されていたので、解答の原文をそのまま掲載いたしました。

講評

応募者の多くは、凸多面体であることに限定して体積をできるだけ小さくする方法で考えていました。これに対し、凸多面体とは限らない立体で考えた応募者も数名いましたが、そのなかでも狩山さんが考えた、11角柱を4段重ねた立体を押しつぶすことにより、体積を限りなく0に近づける方法は、非常にすばらしい発想であったと思われます。

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