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プレスリリース

2018年11月6日

公益財団法人 日本数学検定協会

東大寺に奉納した「算額」の優秀解答を発表

日本の和算文化の理解と数学の学習題材として全国で20の学校・団体が活用!応募総数は1,459通

「算額1・2・3」ロゴ

 

 

公益財団法人日本数学検定協会(所在地:東京都台東区、理事長:清水 静海)は、2018年1月23日(火)に華厳宗大本山「東大寺」(所在地:奈良県奈良市)に奉納した数学の額「算額」2問の解答を募集し、2018年9月7日(金)に締め切り、このたび優秀解答を選出いたしました。

「算額1・2・3」公式ホームページ
https://www.sangaku123.jp/

■2018年の問題は「大仏様がお風呂に入るには?」と「大鐘の音はどこまで届くか」
今回奉納した問題は、昨年2017年までと同様2問で、1問めの問題一は「大仏様が肩まで浸かってお風呂に入るとしたら、何リットルのお湯が入る湯船が必要になるか」という問題です。東大寺には、現存するなかでは日本最古の浴場である「大湯屋」があることから、この問題を考案し奉納しました。問題二は、「大鐘の音はどこまで届くか」。東大寺の大きな釣鐘は「大鐘」と呼ばれ、除夜の鐘の際には8人でつきます。今回はその除夜の鐘の音が、半径何キロまで届くか考える問題を作成し奉納しました。問題を解く際の条件は必要最小限にとどめており、それ以外の条件は自由に取り入れながらユニークな解答を作ってもらうことがねらいです。
今回の応募総数は1,459通で、問題一には1,274通、問題二には185通の応募が集まりました。

■問題一の最優秀解答賞に67歳(愛知県)、優秀解答賞に13歳と14歳の中学生が受賞
当協会の選考委員ですべての解答を選考したところ、問題一の「大仏様が肩まで浸かってお風呂に入るとしたら、何リットルのお湯が入る湯船が必要になるか」に対して、大仏様の断面図から適切な湯船のサイズを検討するという独創的なアプローチで解いた、ペンネーム「チームA∞I」さん(67歳)を最優秀解答賞に選出いたしました。優秀解答賞には、大仏様の姿勢を円柱で近似しながら図案化した香高百柚さん(立命館慶祥中学校2年生、13歳)と鉄湯船をy軸回転の立体に近似させて解答を求めたペンネーム「たこぽんぷす」さん(14歳)を選出しました。

 

 

 

 

2018年に東大寺に奉納した算額(問題一)

■問題二の最優秀解答賞は奈良県の50歳代が3年連続3回めの受賞
問題二の「大鐘の音はどこまで届くか」は、問題一より難解な問題だったため応募数は多くはありませんでしたが、1つひとつの解答はどれも力作といえるほどのでき栄えでした。
そのなかでも大鐘をついてから鐘の音が人々に届くまでの過程を、エネルギーに着目し、物理学的な見地から丁寧に検証して解答した狩山勝さん(56歳)を最優秀解答賞に選出しました。狩山勝さんは、前々回2016年、前回2017年に奉納した算額の問題二でも優秀解答賞に選出されており、今回で3年連続3回めの受賞となります。優秀解答賞には、音の距離にともなう減衰についても考察して解答した北見陽花さん(学校法人市川学園 市川中学校2年生、14歳)と、はねかえり係数や力学的エネルギーの散逸を想定しながらアプローチした布施勝朗さん(77歳)を選出しました。

 

 

 

2018年に東大寺に奉納した算額(問題二)

■全国から20の学校・団体が応募!団体賞は小中学校3校が受賞
今回から「団体による応募」の受け付けを開始し、団体での取り組みを評価する「団体賞」をあらたに設けたところ、団体から20件1,416通の応募がありました。なかでも立命館慶祥中学校(北海道)からは、もっとも多い500件を超える応募がありました。全体的に図や表などを十分に活用してうまくまとめた解答が多く、表現力の面において他の団体と比較しても卓越している点を評価し、団体賞に選出しました。また、学校法人市川学園市川中学校(千葉県)は、アクティブラーニングの一環として、夏休みに実施された「京都・奈良夏期学校」のなかで、中学2年生全員に課題として算額の問題を提示し、生徒全員が東大寺まで足を運び、実際の算額を見学したうえで解答を仕上げるといった積極的な取り組みを評価し、団体賞に選出しました。なお、算数が苦手な児童でも自由な発想で楽しく学習することができる課題として、クラス全員で算額の問題に取り組んだことを評価し、奈良市立都跡小学校(奈良県)を特別賞に選出しました。

当協会は、来年2019年の「算額文化を広める日」である1月23日(水)に新たな算額を東大寺に奉納し、解答を広く募集する予定です。主たる公益事業である「実用数学技能検定(算数検定・数学検定)」「ビジネス数学検定」の実施のほかに、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させていく所存です。

<2018年「算額1・2・3」優秀解答者一覧>
●問題一

最優秀解答賞:「チームA∞I」さん(株式会社毎日文化センター、67歳、愛知県)
優秀解答賞:香高 百柚さん(立命館慶祥中学校2年生、13歳、北海道)
      「たこぽんぷす」さん(14歳、熊本県)
●問題二

最優秀解答賞:狩山 勝さん(56歳、奈良県)
優秀解答賞:北見 陽花さん(学校法人市川学園 市川中学校2年生、14歳、千葉県)

      布施 勝朗さん(77歳、愛知県)
●団体賞:立命館慶祥中学校(北海道)
      学校法人市川学園 市川中学校(千葉県)
●特別賞:奈良市立都跡小学校(奈良県)
※熱心に取り組まれた団体が多かったため特別賞を設けました。

【「算額1・2・3」とは?】数学文化推進の礎として、年々関心が高まる算額
算額とは、江戸時代の日本で、数学者や一般庶民の数学愛好家たちが額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納しあった歴史あるものです。この試みは、当協会の理念でもある「算数・数学への興味喚起」を広く国民のみなさまに促すための活動の一環として、算額という古来先人たちが取り組んだ「数学の学びの文化」を現代に復興し、日本の数学文化推進の礎にしたいという想いから企画立案いたしました。また本企画は「算数・数学に興味をもっていただく機会の増進」「算数・数学を通じた人々の交流の活性化」などを目的としています。古来の算額は、解けた喜びに感謝するために、問題だけでなくその解法も記して奉納していました。しかし当協会は、自分で解きたくなるように、あえて問題のみを記した「出題形式」の算額を奉納しています。

<1月23日は「算額文化を広める日」>
公益財団法人日本数学検定協会が制定。「算額」を現代に復興して「数学の学びの文化」を広めるのが目的です。日付は1・2・3の数字の並びはだれもが最初に接する数学文化の1つであることから1月23日になりました。

お問い合わせ先

【本リリースに関するお問い合わせ先】
公益財団法人 日本数学検定協会 広報宣伝室
TEL:03-5812-8342
FAX:03-5812-8346
E-mail:kouhou@su-gaku.net
URL:https://www.su-gaku.net/