急速に進む「数学」需要──数理イノベーション時代の到来

急速に進む「数学」需要──数理イノベーション時代の到来急速に進む「数学」需要──数理イノベーション時代の到来

コミュニケーション・ツールとして英語が脚光を浴びる教育改革――
しかし、その一方で、2018年6月以降、国の有識者会議や経済団体から価値ある新しいものを創造する基盤として「数学」を重要視する報告書等が相次いで公表されています。少子化が進み、Society5.0の時代が到来するにあたって、AI戦略、データサイエンス、IoT等に対応し得る人材の育成が急務であり、その基盤となる教科が「数学」であることは言うまでもありません。義務教育段階や高等学校におけるリテラシーとしての「算数・数学」、高等教育における専門分野としての「数学」等、文理を問わず今こそ「数学」教育の一層の充実が必要な時代であり、この教育改革の流れは急速に進展するものと思われます。

「数学」教育改革や人材育成に関する動き

国や経済団体による「数学」教育改革や人材育成に関する見解の一部をご紹介いたします。

2018年
6月

文部科学省 Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 新たな時代を豊かに生きる力の育成に関する省内タスクフォース「Society5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」

機械を理解し使いこなすためのリテラシーや、その基盤となるサイエンスや数学、分析的・クリティカルに思考する力、全体をシステムとしてデザインする力がこれまで以上に必要な力

基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力を、すべての児童生徒が習得

文理両方を学ぶ人材を育成するよう、高等学校改革と大学改革、高等学校と大学をつなぐ高大接続改革を進める必要

微分方程式や線形代数・ベイズ統計、データマイニングなど、より高度の内容を学びたい高校生のための条件整備

2018年
9月

内閣府 イノベーション政策強化推進のための有識者会議「AI戦略(案)」

文理を問わず普通高校、専門高校、高等専門学校等のAI・数理・データサイエンス教育の抜本的充実、(略)高等学校教育全般におけるSTEAM教育の充実による文理分断からの脱却

大学入試改革(大学全学部に数学、情報Ⅰ科目の採用)

AI・数理・データサイエンス教育を3年以内に大学全学部学生に必修化

あらゆる分野においてAI・数理・データサイエンスの知見を活用できる人材を輩出する、大学・大学院の仕組み/体制整備

リカレント教育による社会人へのAI・数理・データサイエンス教育の充実

2018年
12月

一般社団法人日本経済団体連合会 「今後の採用と大学教育に関する提案」

ビッグデータやAIなどを使いこなすために情報科学や数学・統計の基礎知識も必要不可欠

大学は、例えば、情報科学や数学、歴史、哲学などの基礎科目を全学生の必修科目とするなど、文系・理系の枠を越えて、すべての学生がこれらをリテラシーとして身につけられる教育を行うべき

2019年
3月

文部科学省・経済産業省 理数系人材の産業界での活躍に向けた意見交換会報告書「数理資本主義の時代」

第四次産業革命を主導し、さらにその限界すら超えて先に進むために、どうしても欠かすことのできない科学が、三つある。それは、第一に数学、第二に数学、そして第三に数学である!

数学は、ライフサイエンス、ナノテクノロジー、環境科学、材料科学、物理学、化学、金融工学、経済学、社会学など様々な分野の科学技術の基盤となるため、数学の進歩は各分野の発展をもたらす

数学は科学の普遍的な共通言語としての性格を持つため、国籍・言語・文化・世代の相違を超えたオープンなイノベーションが数学を通じて可能になる

第四次産業革命の進行が示すのは、数学が国富の源泉となる経済―― 言わば「数理資本主義」の時代の到来

2019年
4月

文部科学省 文系・理系にかかわらずさまざまな科目を学ぶことや、STEAM教育の推進など、新しい時代の初等中等教育のあり方について、文部科学大臣から中央教育審議会に諮問

いわゆる数学数学、第二に文系・理系の類型にかかわらず学習指導要領に定められたさまざまな科目をバランスよく学ぶことや、STEAM教育の推進

2019年
6月

首相官邸 統合イノベーション戦略推進会議の「AI戦略(案)」が、「AI戦略2019~人・産業・地域・政府全てにAI~」として提言がまとまる

さまざまな社会課題と理科・数学の関係を早い段階(小学校・中学校)からしっかりと理解し、理科・数学の力で解決する思考の経験が肝要である

すべての高等学校卒業生(約 100 万人卒/年)が、データサイエンス・AIの基礎となる理数素養や基本的情報知識を習得

大学等における数理・データサイエンス教育との接続を念頭に、確率・統計・線形代数等の基盤となる知識を高等学校段階で修得することができるよう、教材を作成。大学等に進学する者等を中心に指導(2020 年度)【文・経】

文理を問わず、すべての大学・高専生(約 50 万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得

当協会の取り組み

当協会は、「数学」教育に貢献するため、さまざまな取り組みを行っています。

実用数学技能検定

実用数学技能検定

「実用数学技能検定」(後援=文部科学省)を通じて、数学・算数の学習成果を評価・顕彰する生涯学習の場を提供しています。累計志願者数はのべ600万人を突破しており、数学・算数に関する検定のスタンダードとして、児童・生徒の学力定着の確認や学習意欲の向上、進学・就職をはじめ、社会人の学び直しなどに活用されています。

ビジネス数学

ビジネス数学

社会・企業と数学との接点を明らかにし、実社会における数学的リテラシーの向上や、企業の効率的な人材育成につなげるため、ビジネスにおいて必要とされる数学の検定および研修などを実施しています。

海外活動

海外活動

海外では、現地の方々を対象に実用数学技能検定を実施し、教員・生徒の数学学習の意欲向上に向けた活動を行っています。おもにフィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施し(累計志願者数は30,000人以上)、高い評価を得ています。