学習数学研究紀要 創刊号(第2巻)

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- 直線上の点 E で AEn+BEnを最小とする点 E の位置変化
学習数学研究所 渡辺信 有名な対称点を取る問題を変形して新しい問題に挑戦することを試みた。問題から新し い問題を作り、 はじめの問題を発展していくことは、 自ら作り出した数学を考えるためには 非常に有意義である。そして、作り出した問題の解は、問題作成中に見えてくる。
問題 直線の上側に点A,Bがあって、直線上に点 E を取る。 AE+BE の長さが最短のときの点Pの位置をもとめよ。
この問題の解答は、点 B の直線に対する対称点 B’を取り、 AB’と直線の交点を E とすればよい。(図1) 図 1 点を一つ加えて、点 A,B,C があって、AE+BE+CE の最小問 題にしたが、これは解けていない問題らしい。数学ソフト を用いてみたがわからない。簡単な拡張問題が解けないの は不思議である。そこで、点の位置を変えてみることにし た。 点 A,B は固定されていて動かすことは考えない。点 B は 固定し、点 A を上下に動かしたら E 点 E の位置は直線上ど のように動くかは、点 B’が固定されていることより、直線 上を左(点 B のほう)に動く。 点 B の対称点を取ることで問題は解決したが、楕円の規則 を学んだあとでは、この問題を楕円との関係で缶が得ること もできる。点 E を見つける方法として楕円と直線との接点が 話題になった。点 E が乗っている直線を円に変えることに よって楕円がその解決方法に強力な道具になることも分かっ た。(図2) 図2 座標を考え、式で表して微分を行えばよい。必ず最小になる点 E が存在することは明ら かであり、極点を求めればよいことはわかる。数学における重要な問題の一つは最小・最 大を求める問題であり、計算では微分が使われる。いろいろな条件を付けたときの直線上 の点位置を求めてみたい、どのように変化するか見たいと思う。計算の訓練をするのでは
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