学習数学研究紀要 創刊号(第2巻)

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- のような説明があった。 隠れている部分を見るために、 手前の 3 個の積み木を前に引き出す ことを戦略にし、 図形の個数を数え上げるためには公式などに頼らず、 数学を考えることが 大切であるということを伝えているのではないかと思われた。図形に対する問題に対して 公式というのには少し違和感を持ったが、 数学は公式に頼るのではなく、 自ら考えることが 大切ということを語るとともに、現在の数学教育に対する警鐘として広告を見た。 (2)授業参観では 2 次方程式の解法は公式の利用の訓練 ある学校の数学の授業では 2 次方程式の解を求める授業であった。このとき黒板にまず 2 次方程式の解の公式が書いてあり、いつでも使えるようになっていた。そして授業の開始 と同時に、 2次方程式の解の公式を唱えながら記憶した公式を再確認していた。 この授業で は公式の使い方の訓練だけで、生徒にとって数学の問題を解くことはおもしろいとは思わ なかったであろう。 あまりに公式に頼り過ぎていて、 公式に数値を代入するだけの授業では 面白さが伝わってこない。 その時に約分があったり、 ルートの中の整理をしなくてはならな かったり、難しい問題に躓いていた。授業風景は、x2+2x-3=0を生徒が解く過程を 示しながら黒板に答えを書いていた。 因数分解を用いるのではなく解の公式を使って、解が求まればよいという感じで数学の 授業は公式を用いて解を求めるという訓練が行われている。 x=(-2±√22-4×(-3))/2 =(-2±√16)/2 =(-2±4)/2 =2/2、-6/2 =1、-3 このくらいで黒板に書くことが終われば良い方で、まだまだ指導することが多い感じが した。 まさに「公式に頼る」数学授業でしょう。 この授業に対しては「公式に頼らない」という 言葉はすばらしい言葉なのではないかと思う。 x2+ax+b=0の解をα、βとすると、 α2+aα+b=0・・・(1) β2+aβ+b=0・・・(2) (1)-(2) α2-β2+a(α-β)=0 (α-β)( α+β+a)=0 これから何が分かる? (3)鶴亀算は何故公式を使わない? 鶴亀算の問題では生徒がいくつかの方法を示した。問題は有名な鶴亀算であった。 公式を見ながらていねいに数値を代入 ルートの中の計算 √16=4は難しい ±の扱い方/約分
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