学習数学研究紀要 創刊号(第2巻)

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- 中学校の段階では因数分解を用いた解法はあまり指導する時間はない。解の公式を用いる 方法へと急ぎ、その訓練に時間を使う。 簡単な方程式 2x2-108=0 4x2-36=0 25x2-1=0 x2-48=0 x2-20=0 正答率 53.1% 45.0% 26.3% 49.2% 45.1% 差 7.7 7.9 20.4 -5.4 -18.7 正答率 60.8% 52.9% 46.7% 43.9% 26.4% 解の公式を使う方程式 x2-8x+1=0 3x2-5x+1=0 x2-4x-1=0 x2-6x+7=0 5x2-2x-2=0
(注)差は-(マイナス)は予想通りであるが、+は不思議な結果。 簡単な方程式 2x2-108=0 x -48=0 x2-20=0 4x2-36=0 25x -1=0
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正答率 53.1% 49.2% 45.1% 45.0% 26.3%
解の公式を使う方程式 x2-8x+1=0 3x -5x+1=0 x2-4x-1=0 x2-6x+7=0 5x -2x-2=0
2 2
正答率 60.8% 52.9% 46.7% 43.9% 26.4%
25x2-1=0について x2=1/25 までは変形ができるが1/25 の平方根が求められない 5x2-2x-2=0については解の公式に当てはめる x=(2±√(4+40))/2×5=(2±√(44))/10 とすると 2 で約分ができない この傾向は生徒は2次方程式の解の公式を覚えていて、2次方程式を解くどんな問題で も、2次方程式を解くときには解の公式を使うのではないかと思われる。しかし、答案の答 えを書くだけでは生徒が何をやっているのかわからない。記述式ですべて途中を残しとぉ くならば、この正答率が何故このような傾向になるのかわかるに違いない。しかし、この問 題は答えだけを書くことになっているので、生徒がどのように考えているかはわからない。 2.授業見学で分かったこと この正答率の不思議な原因は数学授業での2次方程式の問題の演習にあることを知った。 2次方程式の問題解法の演習時間を見学する機会があったときのクラスの様子を追いかけ た。2 次方程式を解くことは公式を使うことであって、覚えている解の公式をまず確かめる ことから始まる。 黒板に解の公式を書いて復習から入っても、 公式を使うための計算力の弱 さも気になる。
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