学習数学研究紀要 創刊号(第1巻)

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- (科学研究の利用の両義性) 6 研究者は、自らの研究の成果が、研究者自身の意図に反して、破壊的行為に悪用され る可能性もあることを認識し、研究の実施、成果の公表にあたっては、社会に許容される 適切な手段と方法を選択する。 Ⅱ.公正な研究 (研究活動) 7 研究者は、自らの研究の立案・計画・申請・実施・報告などの過程において、本規範 の趣旨に沿って誠実に行動する。研究者は研究成果を論文などで公表することで、各自が 果たした役割に応じて功績の認知を得るとともに責任を負わなければならない。研究・調 査データの記録保存や厳正な取扱いを徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を為 さず、また加担しない。 (研究環境の整備及び教育啓発の徹底) 8 研究者は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維 持も自らの重要な責務であることを自覚し、科学者コミュニティおよび自らの所属組織の 研究環境の質的向上、ならびに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取り組む。また、これ を達成するために社会の理解と協力が得られるよう努める。 (研究対象などへの配慮) 9 研究者は、研究への協力者の人格、人権を尊重し、福利に配慮する。動物などに対し ては、真摯な態度でこれを扱う。 (他者との関係) 10 研究者は、他者の成果を適切に批判すると同時に、自らの研究に対する批判には謙 虚に耳を傾け、誠実な態度で意見を交える。他者の知的成果などの業績を正当に評価し、 名誉や知的財産権を尊重する。 また、科学者コミュニティ、とくに自らの専門領域におけ る研究者相互の評価に積極的に参加する。 Ⅲ.社会の中の科学 (社会との対話) 11 研究者は、社会と科学者コミュニティとのより良い相互理解のために、市民との対 話と交流に積極的に参加する。また、社会の様々な課題の解決と福祉の実現を図るため に、政策立案・決定者に対して政策形成に有効な科学的助言の提供に努める。その際、研究
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