学習数学研究紀要 創刊号(第1巻)

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- 研究者の行動規範 (*) 研究者が当然備えるべきものである倫理を、公益財団法人日本数学検定協会(学習数学 研究所)における研究者の行動規範として作成した。この行動規範は、 「科学者の行動規 範」 (平成25年1月25日 日本学術会議)に準拠して作成したものである。 なお、本行動規範における「研究者」とは、 「公益財団法人日本数学検定協会(学習数学 研究所)運営規程」に定める研究職職員を意味する。 Ⅰ.研究者の責務 (研究者の基本的責任) 1 研究者は、自らが生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を有し、さらに自らの 専門知識、技術、経験を生かして、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環 境の持続性に貢献するという責任を有する。 (研究者の姿勢) 2 研究者は、常に正直、誠実に判断、行動し、自らの専門知識・能力・技芸の維持向上 に努め、科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を 払う。 (社会の中の研究者) 3 研究者は、科学の自律性が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを自覚し、科 学・技術と社会・自然環境の関係を広い視野から理解し、適切に行動する。 (社会的期待に応える研究) 4 研究者は、社会が抱く真理の解明や様々な課題の達成へ向けた期待に応える責務を有 する。研究環境の整備や研究の実施に供される研究資金の使用にあたっては、そうした広 く社会的な期待が存在することを常に自覚する。 (説明と公開) 5 研究者は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して積極的に説明し、その研究が人 間、社会、環境に及ぼし得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立性・客観性 をもって公表するとともに、社会との建設的な対話を築くように努める。
(*)平成 29 年 9 月 1 日制定
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