学習数学研究紀要 創刊号(第1巻)

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- と表される。第 k ブロックの数の和は k 3 に等しい。これは等差数列の和だが,次のよう に考えてもよい。k が奇数なら中央項は
k-1 =k2 2 k-1 組あるから総計 k 3 になる。 kが 2
k 2-k +1+2×
であり, それをはさんで対称に和が2 k 2 になる組が 偶数なら,両端の数の和が ( k 2-k +1) + ( k 2-k +1+2k -2) =2 k 2 であり,同じ和の対が全体で
k 組生じるから,やはり総計 k 3 である。 2
したがって最初から第 n ブロックまでの総和が,所要の三乗数の和に等しい。それは 1から始めてTn 個の奇数の和であり,⑷によってTn 2 に等しい。▯
4.三乗和の公式―第3証明 次のような乗積表を考える。 これを各行ごとに足せば,和は順次
Tn ,2Tn ,3Tn ,…,nTn
であり,全体の和は
Tn ×Tn =Tn 2
に等しい。 他方左上から逆L字型に分けて足すと,最初のブロックは1だが,次は 2+4+2=2 (1+2+1) =2×22=23 である。同様に第 k ブロックの和は k(1+2+…+k ) +k(1+2+…+ (k-1) ) =kTk +kTk- 1=k× k 2 = k 3 に等しい。したがって全体の和は三乗和
3 1 +23++n 3 に等しく,等式⑴を得る。▯
5.むすび 以上は一例にすぎない。 これらはよく知られた結果だが, 意外と工夫の余地があると感 じたので,敢えて紹介した次第である。
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