学習数学研究紀要 創刊号(第1巻)

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- これらの問題の誤答を分析することによって受検者の誤りの傾向を調べ、算数学習で日 常の事象を扱うとき、どのようなことに注意すべきかを探っていく。 3 研究の方法 数学検定・算数検定の採点システムでは、採点者一人ひとりに対して、階級と問題番号 を指定して特定の問題のみを採点するように設定できる。また、採点中でも採点後でも、 ある特定の問題について答案を解答類型ごとに分類できる機能が備わっており、分類後に さらに細かい項目に分けることも可能である。 この採点システムを用いて、第 299 回検定6級受検者 2352 人及び第 283 回検定6級受検 者 1908 人の答案を解答類型に分類し、それぞれの該当者数及び反応率を調べた。 誤答は5種類(もしくは7種類)と無解答及びその他の解答に分類し、正答を含めて、 受検者の解答がどの解答類型にあてはまるかを分類した。解答類型それぞれに対して誤答 に至る経緯を示し、指導の参考となるようにした。 4 結果 第 299 回検定6級(26)については、受検者 2352 人中、正答 1370 人(58.2%) 、誤答 982 人(41.8%)であり、 (27)については、正答 1252 人(53.2%) 、誤答 1100 人(46.8%) であった。 また、 第 283 回検定6級 (27) については、 受検者 1908 人中、 正答 1208 人 (63.3%) 、 誤答 700 人(36.7%)であった。 主な誤答とその反応率をまとめると次の表のとおりとなった。解答用紙の解答欄には単 位 (m) が印字されているので、 解答形式は答えの数値のみを記述する短答式となっている。
299 回(H29.02.17)
解答類型 正答 58.2% ① ② ③ ④ 誤答 41.8% ⑤ ⑥ 50 5000 5 500 1250 2,20,… 誤答
6 級(26)
人数(人) 反応率 1370 500 132 43 63 38 169 37 2352 58.2% 21.3% 5.6% 1.8% 2.7% 1.6% 7.2% 1.6% 100%
299 回(H29.02.17)
解答類型 正答 53.2% ① ② ③ ④ 誤答 46.8% ⑤ ⑥ 87.5 8750 8.75 875 714 3.5,35,… 誤答
6 級(27)
人数(人) 反応率 1252 429 120 95 5 53 328 70 2352 53.2% 18.2% 5.1% 4.0% 0.2% 2.3% 13.9% 3.0% 100%
⑩ その他 ⑪
⑩ その他 ⑪
無解答 合計
無解答 合計
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