学習数学研究紀要 創刊号(第2巻)

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- 第8回検定問題等検討会(2018.6.20)
数学コーチャーの問題について
(1)計算か直感か 極限の値を求める問題で, 高校生の計算力はすごい. あまり褒められることではないが, なんでも計算をしようとすることは悪いことではない. 次の極限値を求めなさい.
n
n
n n
n
n
n
n n
=
n
n
n n
n n
n n
n
n
=
= しかし,この問題は分母分子を√n で割れば答えは簡単に求まる.この問題は計算だけで
簡単に求めることが出来る.計算などをする必要はない.問題をよく見ると n の係数がす べて同じのときはどうなるのであろうかという問題を見つけることが出来る. 4 通りの問題 があることが分かる.
n +3+ n +4
n
n +2+ n +5
=1
この極限の値を求めることは関数の Order の問題で, 答えが1になることは見えている. 次の 3 つの極限値はグラフ電卓では求まらない.
n +3- n +4
n
n +2- n +5 n +3- n +4
n
n +2+ n +5
=0
n +3+ n +4
n
n +2- n +5
=∞
しかし,両方の符号が一致しているときは有理化をすることで求められる.ここでは, Technology よりも計算を紙に書いたほうがよい例にも見えるが,何をするかの問題発見に は,Technology が役立っている.問題を発見したときに数学はおもしろいと思う.
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