学習数学研究紀要 創刊号(第1巻)

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- 4分野のどの分野をとってもそれぞれ特徴や個性はありながらも、 数学と密接な関係にあり、 全分野とも数学抜きでは学問体系は成り立たないといっても過言でない。 また、この4分野はそれぞれ独立しているわけではなく、例えば、力学と電気系(電磁気学) とは今回の調査では便宜上分けたが、
F qE
( F :力,
) q :電荷, E :電場(電界)
という関係式で互いに関連付けられる。 このように底流となっている数学を通じて4つの調査分野はお互い関連し合っている事実も 興味深いと思われる。 5.今後の予定 今後は力学系や電気系で今回は含まれていない、高度な物理学の内容である量子力学、統計 力学、相対性理論 予定である。 量子力学、統計力学は半導体など物性(マテリアル)に関連し、さらに量子力学は未来の量 子計算機ともいわれる量子コンピュータなど情報理論とも関連してくる。相対性理論は実用的 には GPS や衛星での計測に関連してくるが、宇宙・天体の起源、重力波、素粒子の起源など夢 とロマンにあふれた分野でもあるので、その領域を記述する数学は一体何か、おおいなるモチ ベーションを保ちつつ調査・研究してみたいと思う。 さらに、情報系において現在流行のデータサイエンス、人工知能(機械学習、深層学習 etc) がどのような数学と関連しているのかも調査を進める予定である。 これらの調査作業を通じて、数学が数理科学や情報科学など、また工学の分野とどう関連し 合っているか見極め、さらに STEM 教育の観点から提言できることはないかを考察していき たい。
引用・参考文献 ⑴「力学系数学」関連 [1]小出昭一郎 [2]砂川重信 [3]原康夫 [4]山内恭彦 [5]伊藤克司 [6]砂川重信 [7]戸田盛和 物理学 裳華房 1997 年 (※) (※) (※)
に対しても調査を行って、俯瞰チャート(マトリックス)にまとめ上げる
力学の考え方 物理学基礎 一般力学 解析力学
岩波書店
1993 年 2016 年 2002 年
学術図書出版 岩波書店 講談社
2009 年 1993 年 1983 年 講談社 2010 年 講談社 2012 年
熱・統計力学の考え方 熱・統計力学 岩波書店
[8]佐藤和也、平元和彦、平田研二 [9]佐藤和也、下本陽一、熊澤典良
はじめての制御工学
はじめての現代制御理論
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