学習数学研究紀要 創刊号(第2巻)

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- 飯高先生の数学講座
昨年度に引き続き、2018 年度も4回にわたって飯高先生の数学講座を開講した。参加者 の多くは社会人であるが、 小学生、 中学生及び高校生また年配の方の参加が定着している。 講座の内容は高等学校で履修する数学を前提とした高度なものであるが、受講者の理解度、 満足度は高く、毎回生涯学習として数学を楽しんでいる様子が伝わってくる。 第 21 回 2018.05.19「古代エジプトの分数計算を学ぶ」 ・講座のねらい 古代エジプトの分数計算の仕組みを学び現代の数学教育へ活かす。数学の歴史は古 く、4000 年前から数学で苦労してきた歴史から学ぶことが多い。 ・内容 1.古代エジプトの数字 2.単位分数の表示 4.現代でも解決できない分数の難問 ・受講者数 17 人(未就学児1人、中学生1人、高校生2人を含む) 第 22 回 2018.09.01「円錐曲線の極と極線」 ・講座のねらい 2次曲線の性質を円錐曲線の極と極線の理論を元に一般的に調べる。射影平面を考 えて一般化すると、 極と極線がよくわかる。 これは受験数学の根本の理解につながる。 ・内容 1.放物線の部分の面積計算 2.円に対する極と極線 3.同次座標と無限遠点 4.射影2次曲線 ・受講者数 25 人(小学生2人、中学生2人を含む) 第 23 回 2018.11.10「放物線をあらためて考える」 ・講座のねらい 学習指導要領の縛りがあり数学 II の入試問題には放物線の面積を求める問題しか出 せない。 これでは入試問題を作る上で大きな制約である。 しかし極と極線の理論を知る とたくさん作る術がわかる。このように一歩進んだ立場で放物線をあらためて考える。 これは教育の現場で有用な見方を提供できると思う。 ・内容 1. 放物線と極線 2 本の囲む面積 2. 放物線の極と極線 3. 放物線と極線の作る調和点列 4. 放物線と極線の作る調和点列(一般の場合) ・受講者数 28 人(小学生 1 人、高校生 6 人を含む) 3.パピルス文書にある分数計算
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