団体活用事例

子どもが自ら考えて判断し決断する力を育む

町田市立小山中央小学校(東京都)小学校
お話:木村宏教諭

算数検定には算数が好きになる問題がある

本校が算数検定の団体受検を始めたきっかけは、学校に送られてきた「算数検定」のパンフレットをたまたま見かけたことでした。そのとき初めて、小学生でも受けられる算数の検定があるんだと知って、パンフレットを手にとって開きました。そこで、サンプルの問題を見たときに、「これはいい」と思ったのです。

たとえば、文章題なら、1つの大問に3つくらい小問があって、最初は基本問題、次にそれを少し活用した応用問題、最後にその活用したものをさらに工夫して解く問題が続いているのです。このような問題の作り方は、「うまい」と思いました。

難易度もちょうどいいと感じました。一生懸命に考えれば、「解けるかもしれない」と思える難易度なのです。算数を好きになるのは、「できる!」「できた!」という喜びが必要です。この喜びを、算数検定は子どもたちから引き出そうとしている。そう思って私は、校長に「算数検定を実施してみたいのですが…」と相談したところ、「やってみましょうか」と応えてくださり、2014年から団体受検を始めることになったのです。

保護者がボランティアとして協力してくれる

本校では、毎年2回、算数検定を実施しています。小学3年生から6年生まで、希望者100人くらいが土曜日に学校に集まって受けています。ほとんどの児童が自分の学年に見合った階級を受けていますね。合格率は9割に届くときもあります。

希望者の募集方法には工夫をしています。まず学校で独自に作成した案内を全児童に配付し、希望する児童には数学検定協会の正式な申込書を渡します。その後、最終的に保護者と話し合ってもらい、受けると決めたら、記入した申込書とお金を入れた封筒を持ってきてもらいます。それを私が受け取ったら、領収書とともに、受検の流れをかんたんに説明した用紙を渡すのですが、その説明用紙をとおして検定運営のお手伝いをしてもらえるボランティアを保護者に向けて募集しています。すると、多いときには20人近くの方が手を挙げてくださいます。このご協力が本当に助かっています。受検者が多くても、複数の階級を同時刻に開催できますからね。算数検定の実施は、年度末にとる保護者のアンケートでも、評判がいいんですよ。

検定の対策は、過去問題を渡すくらいですね。上の階級にチャレンジする児童に対しては、習っていないところを教えることもあります。ただ、私がいつも子どもたちに言っているのは、普段の算数の学習を大切にしなさいということです。授業に集中して、宿題もしっかりとやる。とくに「考えることが大事だから、自分の考えをノートに書いて、積極的に発表するんだよ」とも伝えています。これが一番の検定対策ではないでしょうか。

算数で「主体的・対話的で深い学び」を実践する

本校は、児童が自ら考え、判断し、決断し、行動できる力を育もうと、さまざまな取り組みをしています。でも、子どもたちはなかなか自分の考えを言うことができません。たぶん、まだ自信がないのでしょう。算数検定などの検定の良いところは、目標を持って取り組むことができ、さらに合格すれば自信がつくことです。

とくに、算数検定は自分で考えて解くので、この自信がつきやすいのかもしれません。算数検定を導入して、自ら考える児童が増えてきたように感じています。全国学力テストの結果を見ても、その傾向がうかがえます。新しい学習指導要領のキーワードの1つは「主体的・対話的で深い学び」ですね。その学びは算数でも十分にできると私は思っています。どうやって問題を解くか。自分でいろいろと考えて、自分の考えを友だちに説明し、友だちの考えを聞いていく。そうすれば、算数の学習をとおして、人間関係を育んだり、友だちの考えをよく聞いて認める力を身につけられます。

算数検定を取り入れつつ、そのような新しい学びを算数でもやっていきたいと思っています。