団体活用事例

数学嫌いを減らす取り組みのなかで「数学検定」を実施し入試につなげる

松戸市立第六中学校(千葉県)中学校
お話:藤澤幸祐教諭

合格すれば高校入試のメリットに

本校では、8年ほど前から数学検定(以下、数検)を活用するようになりました。合格できれば、自身にとって大きな励みにつながり、苦手な人が多い数学の力を向上できると考えたからです。そのために数検をもっと受けやすくしよう。それが学校で団体受検を始めたきっかけです。

3年ほど前までは、夏休みに実施していました。ただ、夏休みだと、1~2年生は部活動で忙しく、3年生も夏期講習などで時間のやりくりが難しいところがあります。そこで、検定実施を2学期の9月に変えました。生徒や保護者には1学期に告知し、検定は9月にあることや入試の対策になること、学校の数学の授業を理解していれば数検3級は合格できることを積極的に伝えたところ、受検希望者が増えていきました。

保護者の間でも数検の認知度は広がっていて、英検や漢検と同列で見るようになってきています。子どもが希望すれば、「夏休みのあとに、学校で受検できるなら受けさせようか」と考えてくださるようです。平成30年(2018年)度の受検者は75人になり、多くの生徒が合格できました。数検を受検して合格した経験は、入試にもつながったはずです。

特別な対策講座は開かない

受検するのは、数学が得意でも不得意でもない生徒が多いです。数学がとても得意な生徒は、すでに自ら数検を受検しています。ただ、そのなかでも、入試でのメリットが大きい準2級に合格していない生徒がいたりするので、この機会に上の階級にチャレンジすることを勧めます。毎年、1~3人ほど準2級を受検しています。

対策講座のようなものは本校ではとくに開きません。協会が提供している過去問題と参考書を級ごとにそろえ、それを希望者に貸し出して、質問に来た生徒には対応するというかたちをとっています。受検する生徒は、たいてい借りていきます。

団体受検をするようになって良かったと思うことは、入試のような緊張感が味わえるところです。いつもの教室とは違う広い部屋に入って座り、与えられた時間のなかでいかに問題に向き合うか。たとえば、なかには、問題をすべて解き終えて時間が余ると寝てしまう生徒もいます。こんなときは、検定が終わってから注意することができます。

全国学力調査で平均を上回るように

本校には、毎朝10分、「学びの時間」という自習タイムがあります。生徒は、月曜日から木曜日の朝、その時間で2種類の課題から選択した計算問題に向き合います。多くの学校がそうであるように、本校も数学が苦手な生徒がたくさんいます。そこで、数学に触れる機会を増やそうと、10年ほど前から「学びの時間」で計算をするようになったのです。また、8年ほど前から「第六中学校数学検定」(以下、六中数検)という独自の検定を年3回実施しています。数学科の教職員が作り、難易度は実際の数検に合わせています。

このような取り組みのなかで、数検の団体受検を実施しています。毎朝の計算や年3回の六中数検を実施しているので、生徒たちは「数検にもチャレンジしてみようかな」と思いやすいようです。なかには、実際に受けてみて、数学のおもしろさに気づき、解けなかった問題がどうすれば解けたのかを考え始める生徒も出てきます。成績がグッと伸び始める生徒もいます。全国学力・学習状況調査でも、数学の成績は全国平均を上回るようになりました。

普段の授業から、私は常に「考えなさい。どうしてこの答えが出るのか、疑問を持とう」と言います。少しでも自分で考えてやってみると、必ず何かの気づきを得て「わかった!」となりますし、その体験から「数学っておもしろい!」と感じるようになります。そういう機会を増やして、数学以外の分野でも自分で考えて問題を解決していける力を身につけてほしいと思っています。