団体活用事例

PTAが地域の子どもたちの学習をサポート学力向上の取り組みとして算数検定を実施

釧路市立鳥取小学校PTA(北海道)地域ボランティア

地域が一体となって学力向上支援へ

北海道東部にある釧路市は、人口18万人の都市で、学校数は小学校29校、中学校17校(私立校含む)です。
地域経済を支えるためには、基礎学力が重要であるという認識のもと、釧路市議会から「釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例」が提出され、平成25年1月1日から施行されました。
市長、議会、教育委員会、小・中学校、保護者、地域の団体等の責務と役割を明らかにし、それぞれの主体が連携・協力して取り組む事柄を努力規定として定めています。
鳥取小学校のPTA会長に選任された大越拓也さんは、今から2年前、小学校の冬休みの補習で3年生の算数の授業を見学したとき、問題が分からず手を挙げている児童を見かけました。先生の許可をもらい、その児童の答案用紙を見せてもらったところ、1桁の繰り上がりのたし算ができていないことに驚愕しました。
当時の校長先生に「あの子の将来のために何とかしてください」と申し出たが、「既定の時間では対応できないし、ほかにも問題を抱えている児童が多数いるので特別扱いできない」という回答でした。
先生方の事情を考慮し、「それならば、子どもたちのために地域で学習のサポートをしよう!」と地域の方々に呼びかけて有志をつのり、「釧路鳥取 てらこや」を平成24年4月に立ち上げ、子どもたちの学習支援を行ってきました。

数学検定・算数検定との出合い

平成25年度に、文部科学省の外郭団体である「早寝早起き朝ごはん全国協議会」の土曜朝塾支援事業から支援を受けることになりました。
その協議会のホームページを見ていたところ、「数学検定・算数検定」が目にとまり、「これはぜひやってみよう」と、検定実施について学校に相談しました。また、学校の教室には余裕があるため、他校のPTAにも参加できる旨を打診したところ、他校の一部の先生方からは、「前例がない。検定対策の補習を実施してくれと言われてもできない。不合格になったら困る」など反対の声が上がりました。そこで先生方には負担をかけずに教室を使用するということで学校から快諾をうけ、PTA主体で算数検定に取り組むことを決意しました。
「小学校主体で検定を実施するにはいろいろ難しい事情があるのが分かりました。それであればPTA主体で検定を活用し、地域の子どもたちの学習サポートをする方法があるということを広く知っていただきたい」と大越さんは話します。
そして平成25年11月、市内の全児童に呼びかけ、小学校の教室を借りて、いよいよ算数検定に取り組みました。まずは地域の有志や釧路公立大学のボランティア部などの協力を得て、算数検定12級(就学前児童)~7級(小学5年生程度)までの事前講習を実施。検定当日は、市内の児童51人が検定にチャレンジしました。
大越さんは「ここに至るまでいろいろあったが、市内の子どもたちのために鳥取小学校も全面的に協力していただいた」と、鳥取小学校への感謝も示しています。

子どもは地域の宝

PTAは『父母と先生の会』であり、子どもの健全育成のために活動する任意団体で、子どもは地域の宝です。子どもたちのために、学力についてもPTAが一緒になって積極的に取り組んでも良いのではないか?」と大越さんは強調します。
「このような取り組みを全国の多くの保護者、先生方に知っていただきたい。そして地域が学校と連携し、一体となって子どもたちの学力向上のための支援をしてほしい。算数検定の実施は学力向上への取り組みの1つだが、これを機会に親子のコミュニケーションも増えれば嬉しいし、算数の楽しさも知ってもらいたい」と、大越さんはこのような活動が広がるよう、期待を込めて語りました。