団体活用事例

『スモールステップ』として、意欲を引き出す

中萬学院グループ(神奈川県)学習塾

学力引き上げの指標に


中萬学院本社(横浜市港南区)

小学生から高校生までを対象に、神奈川県と東京都で全141教場(9月現在)を展開する老舗学習塾・中萬学院グループ。数学検定については、15年以上も前から取り組んできた大きな実績があります。

ユニークなのは実施の形態。英検、漢検と合わせ、「3大検定」をセットにした形で、学期ごとに年3回、実施しています。「全国レベルの検定を取得させるというだけでなく、塾内の到達度を超えた視点の持ち込みが、検定を導入した狙いのひとつです。通常の指導とは違った観点から、子どもたちを評価できる。また、「3つの検定」を同時に行うことで、生徒は得意科目から受検でき、塾にとっては評価を多軸化できる、というメリットがあります」と、同グループの吉沢昌久運営推進室長は説明します。

受検者は小学4年生から中学3年生がメイン。学年ごとに、目標の級を設定しています。「強制力は持たせていませんが、当塾では学力をここまで引き上げます、と示す指標になる。数学検定の導入自体、『資格取得や進路指導に力を入れている塾』という明確なアピールになります」と吉沢室長。数学検定を入試優遇に取り入れる学校が拡大している現在、なおさら、導入の意義は大きいといえるでしょう。

「他流試合」もOK

目標を設定する一方で、無理な受検はさせない、というのが基本方針。「公立中学校に進学する小学生、つまり目標を持ちにくい層も対象に導入した、という経緯があります。小学生にせよ、中学生にせよ、低学年は学習目標を立てにくい。そこで、"スモールステップ"を作り、少しずつステップアップしていくことでモチベーションを上げていくのですが、数学検定の級は学年に対応しているので、目標として設定しやすい。学習の動機付けに活用できるのは、数学検定の大きなメリットです」

さらに、数学検定は出題範囲を特定していないため、腕試しになると吉沢室長は話します。
「数学検定は、学年配当のカリキュラムをきちんとこなせていなければ、だめ。塾のカリキュラムテストとは違い、広い範囲の中で実力を試していく検定なので、『他流試合』として取り組むことができます」

合格率は、一昨年から今年の春までの計4回で、全ての級を平均して約90%。準2級は約65%に止まるが、2~3回めの受検になるとぐっと合格率があがります。年3回受検の機会を設けているため、不合格でも次回に向けて前向きに取り組む塾生が多いといいます。「生徒だけでなく、先生が一緒に受検するケースもあります。スクールによっては、合格発表で生徒に混じって先生の名前が張り出されたり。入試以外で、一緒に頑張ろうというのりを作っていける、そんなメリットもありますね」

個別指導にも会場を拡大

同グループでは、会場運営の負担軽減を兼ねて、同じエリアの4~5校を一つの会場に集めて検定を実施しています。これまで集団指導の教場だけで行ってきたのを、今年から個別指導の教場にも会場を拡大。個別しかないエリアの塾生にも便宜を図っています。また、新教場を会場にすることで、潜在的な受検者の掘り起こしを進めています。「塾生だけでなく、潜在的な顧客である一般の方にも、受検していただいています。数学検定をきっかけに、会場の塾に足を運んで見学していただける、というメリットもあります」と、吉沢室長。

現在、同塾では受検率をさらに上げ、数学に取り組む意欲を持つ塾生を増やそうと、今後も実施に力を注いでいくようです。

(塾ジャーナル2010年11月号掲載)

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