団体活用事例

中高一貫教育校の課題を解消、受験に代わる目標へ

東海大学付属相模高等学校中等部(神奈川県)中高一貫教育

学習到達度を測る物差し


塩田敬三
中等部教諭

高等学校が今夏の甲子園全国大会で準優勝を果たすなど、スポーツ強豪校としても名高い東海大学付属相模高等学校中等部。「中高一貫教育校で受験勉強に縛られない分、部活動に専念し、社会に出た時の人間関係の作り方や、目標を乗り越える力を身に付けることができる環境にあります」と、塩田敬三中等部教諭は話します。中等部では生徒の90%以上がクラブに加入し、のびのびと学園生活を送っています。その反面、一般入試の受験者に比べ、同校の生徒は学習へのモチベーションを維持しにくいのが課題。そこで、受験に代わる目標設定として導入されたのが、数学検定でした。「数学検定は全国的な検定なので、自分の学習の到達度を測る、物差しにもなります」と塩田教諭は話す。

急上昇の合格率

初年度は希望者だけでしたが、翌平成18年度からは年一回、全員が受検しています。
目標は1年生が5級、2年生が4級、3年生が3級。希望すれば上位の級にも挑戦できるため、昨年、2年生で3級を4人、準2級を1人が受検し、全員合格しました。3年生では準2級に5人が挑み、1人が合格。さらに2級には2人がチャレンジし、1人が1次検定に合格しました。合格率も年々上昇。昨年度の場合、1年生は90.1%、2年生4級は92.2%、3年生3級は56.8%。中学校卒業レベルの3級になると他学年より合格率は下がりますが、それでも約6割が合格。どの学年も著しい伸長を示しています。「やはり、目標があると、学習の励みになります。在学中はもちろん、卒業してからも、数学検定を持っているんだという自信につながるのではないでしょうか」

基礎学力と考える力を育成

生徒のモチベーションを向上させた数学検定。学力についてはどうでしょうか。

数学に力を入れている同校では、中等部で最初のつまずきをなくし、高校入学までの基礎学力を固めようと、全学年で2クラスを3クラスに分けての少人数制を実施しています。検定に備えては、検定の約2週間前から、数学の授業内で過去問題を学習します。「過去問題を解くうちに、生徒は自分の苦手分野がわかってきます。解けなかった問題を重点的に勉強していくことで、基礎学力の定着につながります」と塩田教諭。数学検定が定期試験のように範囲を特定していないことも、基礎の定着に効果的だといいます。

「3年生は早期に教科書を終えてしまいますが、数学検定のおかげで基礎学力を伸ばす時間が増え、高校につながっていきます。受験勉強を経て高校に入学してくる外部生との学力差が縮まってきた、というのが実感です。」また、数学検定は1次=計算技能検定と、2次=数理技能検定の2部構成。総合的な数学力が求められるため、基礎だけでなく、「考える力」が身に付くと、塩田教諭は期待を寄せます。
「数学は、公式を使う意味や結果を理解し、答えを導き出すまでのプロセスを大事にしてほしい。その点、2次検定では、長文問題や応用問題など、一般的な数学問題集に載っているものとは違ったタイプの問題が出題されます。本校の生徒は文章問題が苦手な傾向が強いので、考える力を養うよい機会です」

目標は、全学年で合格率90%以上。数学検定を活用し、総合的な数学力の獲得を目指しています。

(塾ジャーナル2010年11月号掲載)

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