団体活用事例

数学好きになり、理・工業大学へ進学も

名古屋国際中学校・高等学校(愛知県)中高一貫教育

毎日授業がある数学

白いドーム型の校舎がひときわ目を引く名古屋国際中学校・高等学校。キャンパス中央には、巨大な吹き抜け空間「メディアトリウム」が広がり、生徒の憩いの場になっています。

今年創立9年めを迎える同校は、国際人の育成をめざし、英語教育と国際交流に力を入れています。中学校ではネイティブの教師と日本人教師が担任を受け持つ「共同担任制」を実施。また、週6~7時限の英語の授業のうち、ネイティブ教師による少人数授業を3時限以上設け、国際社会で通用する英語力を耳から鍛えています。

そんな国際色豊かな同校が、英語と同じく重点を置いているのが数学です。
中学1年から週5時限を確保し、毎日数学の授業を行っています。「数学は習ったことを復習してきちんと覚えることが大事。そこで、毎日コツコツ勉強してもらおうという意図です」と、大西直子教諭は話します。しかし、中高一貫教育校の教科書に沿った定期テストはチャレンジ問題が2割に満たず、力試しがしづらいという難点がありました。そのため、生徒が学年相応の実力を身に付けているかどうかを測る"物差し"として導入したのが数学検定です。いわば、実力試験の代わりであるため、学年末の1月か2月にほぼ全員が受検。中学1年生は5級、2年生は4級、と学年に応じて目標を決めていますが、飛び級もできるように、年3~4回検定実施日を増やして対応しています。

めざせ!「3冠王」


渉外主任
数学教科担当
大西直子教諭

一方、中高一貫校に共通した課題が「中だるみ」。数学検定には入試に代わる目標を設定し、生徒のモチベーションを高めようという狙いもありました。同校では数学検定の3級取得と合わせ、漢検とTOEIC Bridgeでも目標を決め、中学卒業時に3つの目標を達成した生徒を「3冠王」と称して表彰するユニークな手法で、学習意欲を高めています。
 「3冠王を取れる子は1~2割程度。他の検定で2冠を達成しても、数学は苦手という生徒もいます。昨年、それでも何度も受検してようやく3級に合格した生徒がいて、周りの生徒も嬉しくて大泣きしました」と大西教諭。
 「数学検定は点数ではなく、合格か不合格か。合格したい、という気持ちがモチベーションにつながります。また、1次検定、2次検定と段階を踏むことも、モチベーションを上げるのに効果的。とくに3級は中学卒業程度までの内容なので、テストにはない達成感があります」。

英語も数学も得意に

数学検定対策は放課後に行い、直前になると授業内で過去問題を解きます。受検日が近づくと問題をせがむ生徒も。また、ネット上での合格発表は教師しか見られないため、発表を待ちきれない生徒から閲覧を催促されることもしばしばです。数学検定合格をめざすことによって、授業に対する集中力も高まりました。中・高一貫教育開始当初から導入し、すっかり数学検定が浸透した同校ですが、現在約6割の合格率(3級)を7割に引き上げることが課題。また、高校2年生からは進路に応じた選択授業になるため、受検率そのものが下がるという傾向があります。しかし、その一方で、英語だけでなく数学も好きになって理数系を志す生徒も多く、そうした生徒は準2級や2級へ果敢にチャレンジし、合格していきます。また、英語力を生かした進学先と並び、何割かの生徒は理・工業系の大学へ進むなど、進学面においても数学検定は大きな実績をもたらしています。

同校は今後、大学入試の優遇条件になる2級取得をいっそう奨励していきます。名古屋国際中学校・高等学校の生徒にとって、数学検定は国際社会へ羽ばたくための足掛かりでもあるのです。

(塾ジャーナル2011年3月号掲載)

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