団体活用事例

受検は宿題の延長!問題集で動機付けに一工夫

聖徳学園中学・高等学校(東京都)中高一貫教育

先取り学習の総ざらいに

1学年約140名の小規模校で、アットホームな校風の聖徳学園中学・高等学校。6年間で2回の「国際研修旅行」を実施するなど、国際教育に特色があります。一方で、数学力向上にも力を入れており、数学の授業は中学1年生から高校1年生まで週6時間、高校2・3年生は週8時間という手厚さです。また、英語とともに2クラス3分割もしくは4クラス5分割の習熟度別コースを設け、きめ細やかな指導を実現しています。

数学力研鑽に向け、2004年から取り入れたのが、実用数学技能検定(数学検定)。校内の「計算コンテスト(今年から再開)」に代えて、「家庭学習の動機付けや到達度の確認と資格取得のため」と、導入しました。
先取り学習の復習を目的とし、受検日は年度末の2月に設定。1年生は5級(中学1年生に相当)以上を目標に、3年生までは必須、4年生(高校1年生に相当)からは任意で受検しています。
「普段のテストとは違った達成感があり、合格すると合格証をもらえ、通知表に記載されるので、生徒は喜びますね。また、翌年の授業をすんなり受けられるようになる、と感じています」と、数学科主任の和田一也教諭は顔をほころばせています。

セット問題集で上位級へ挑戦

数学検定の導入時、和田教諭ら数学科の教員が最も心を砕いたのは、どうやって生徒たちに勉強の動機付けを与えるかでした。そして、たどり着いたのが、3級~5級が1セットになった数学検定問題集。

同校ではこの問題集を1年次に全員に購入させ、3年間、冬休みの数学の宿題として活用。生徒は学年ごとの目標級を目安に、自分が受検する級の問題を自由に選んで勉強します。そのため、検定取得に必死になるというよりは、冬休みの宿題の確認テストという、ごく当たり前の感覚で受検することができます。また、3級~5級がセットになっているため、受検級以外の問題にも触れることができ、上位級へチャレンジするきっかけになっています。「より高い目標を意識させるのが、セット問題集にした狙いです。実際、強制しなくても、1年生であれば、4級まで手が出ます。習熟度別にAとBの2コースがありますが、2年生の内容も学んでいるAコースの生徒のほとんどが、4級に合格していますね」

安全圏の1次検定だけを狙ったり、苦手な2次検定を重点的に勉強して1次・2次合格を目指すなど、上位を目指すやり方は生徒それぞれですが、問題集で上位級の問題を目にすることが、弱点の理解や向上心に結びついています。

AO入試対策で受検者が増加

普段の学習の延長線上に検定を位置づける着実な取り組みが功を奏し、年1回のチャレンジにも関わらず、中学生の合格率は平均7~8割。2008年には、「実用数学技能検定」グランプリ団体金賞も受賞しています。
一方、高校生の受検率は2割程度。しかし、大学入試の多様化で、数学検定を優遇する大学が増加。同校でも年々、準2級以上にチャレンジする生徒が増えています。
「数学検定は総復習はもちろん、模試としても使えるし、文理選択の判断基準にもなります。普段見たことがない、いろいろな問題に触れられるのが魅力ですね」。
現在の案件は、授業進度とのかね合いで受検日を前倒しするかどうかということです。しかし、最初の成功体験を基に来年以降のモチベーションへつなげてほしいと、1年生が着実に合格できる年度末受検にこだわっています。
回数については、「いつまでも再チャレンジさせるより、宿題とセットで1回できちんと終わる方が集中できるのでは」と和田教諭。だからこそ、「1回でしっかり合格させたい」と、合格率のさらなる上昇に意欲を燃やしています。

(塾ジャーナル2011年11月号掲載)

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