プレスリリース

2019年11月6日

公益財団法人 日本数学検定協会

受賞者6人はすべて10歳代の女子学生
東大寺に奉納した算額の優秀解答を発表

全国から18の学校が応募し832件の解答が集まる

2019年1月に奉納した実際の算額(問題一)
 
 
公益財団法人日本数学検定協会(所在地:東京都台東区、理事長:清水 静海)は、2019年1月23日(水)に華厳宗大本山「東大寺」(所在地:奈良県奈良市)に奉納した数学の額「算額」2問の解答を2019年9月12日(木)まで募集し、当協会の審査委員による選考を経て、このたび最優秀解答賞、優秀解答賞をあわせて6人選出いたしました。受賞した6人はすべて10歳代の女子学生です。また今回の問題には、全国18の学校から応募があり、合計832件(問題一:681件、問題二:151件)の解答が寄せられました。
 
「算額1・2・3」公式ホームページ

 

■2019年の問題は「大仏さまのお身拭いに必要な人数は?」と「現実的で美しい灯籠の置き方は?」

今回解答を募集した問題は、昨年2018年までと同様2問で、問題一は「大仏さまのお身拭いを2時間で行うために必要な人数は何人か?」という問題です。東大寺では、毎年8月7日に僧侶などの奉仕者が集まり、大仏さまのお身体をきれいにする「お身拭い」が行われることから、この問題を作成しました。問題二は、「現実的で美しい灯籠の配置」を考える問題です。東大寺で毎年8月15日に実施される「万灯供養会(まんとうくようえ)」では、大仏殿のまわり(参道や回廊など)に2,500基ほどの灯籠が並べられ、大仏さまに灯火をお供えします。今回はその灯籠の現実的で美しい配置を考えるという問題を作成しました。いずれの問題も、柔軟な発想やさまざまなアプローチを用いて、自由でユニークな解答を考えることをねらいとしています。

■問題一の最優秀解答賞は、身長と体重から体表面積を求める公式を用いた12歳の女子中学生が受賞

問題一の「大仏さまのお身拭いを2時間で行うために必要な人数は何人か?」という問題には、681件の解答が寄せられました。そのなかから最優秀解答賞として、大仏さまの表面積を求める際に、身長と体重から体表面積を求める公式を用いたユニークな解答を応募した小松さくらさん(立命館慶祥中学校1年生、12歳)を選出いたしました。そのほか優秀解答賞2人と解答内容の要約は以下のとおりです。
 
【問題一/最優秀解答賞】
小松 さくらさん(立命館慶祥中学校1年生、12歳、北海道)
大仏さまの表面積を求める際に、身長と体重から体表面積を求める公式を用いて解答。
 
【問題一/優秀解答賞】
伊藤 奈緒さん(静岡県西遠女子学園高等学校3年星組有志、17歳、静岡県)
大仏さまの寸法を細かく調べ、形状をわかりやすく単純化して解答。
 
【問題一/優秀解答賞】
水内 結菜さん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
大仏さまを拭う面が、地面に対して平行か垂直か、どれだけの高さにあるか、といった観点で作業の速さを区別して解答。

■問題二の最優秀解答賞は、視線を大仏さまに誘導する灯籠の配置を考えた17歳の女子高校生が受賞

問題二の「現実的で美しい灯籠の配置」を考える問題には、151件の解答が寄せられました。そのなかから最優秀解答賞として、現実的な配置になるよう数学的な配慮をし、参拝者の視線を大仏さまに誘導するような灯籠の配置を考えて解答した髙橋薫さん(静岡県西遠女子学園高等学校3年星組有志、17歳)を選出いたしました。そのほか優秀解答賞2人と解答内容の要約は以下のとおりです。
 
【問題二/最優秀解答賞】
髙橋 薫(ゆき)さん(静岡県西遠女子学園高等学校3年星組有志、17歳、静岡県)
現実的な配置になるよう数学的な配慮をし、参拝者の視線を大仏さまに誘導するような灯籠の配置を考えて解答。
 
【問題二/優秀解答賞】
槙 愛さん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
お盆の時期に御先祖の供養を行うという万灯供養会の趣旨を理解したうえで、精霊馬をモチーフとした灯籠の配置を数学的に表現して解答。
 
【問題二/優秀解答賞】
佐々木 くるみさん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
参道、回廊、階段、前庭など、灯籠をどこにどう配置するか、図や式を用いて明瞭に解答。

■全国から18の学校が応募!団体賞は中等教育学校と高等学校の2校が受賞

昨年2018年から設けた「団体による応募」には、全国18の小学校・中学校・中等教育学校・高等学校・大学から応募がありました。そのなかから、特色あるユニークな取り組みを実施した朝日塾中等教育学校(岡山県)と福岡県立鞍手高等学校(福岡県)の2団体を団体賞として選出いたしました。取り組みについての講評は以下のとおりです。
 
【団体賞】朝日塾中等教育学校(岡山県)
授業の一環として8人で取り組んでおり、万灯供養会やデザインに関する情報を集めたり、イスを使って灯籠の配置を考えたりと、試行錯誤して1つのデザインを創り上げた活動がすばらしいです。さらに、爪楊枝を使って配置のミニチュアを作って文化祭で展示しており、応募者全体の協働性を高く評価しました。
 
【団体賞】福岡県立鞍手高等学校(福岡県)
授業の一環として15人が4班に分かれて取り組んでおり、万灯供養会について調べたり、自由なアイデアを交わしたりしながら、4か月間かけて仕上げている活動がすばらしいです。どの班も、斬新なアイデアと数学的なアプローチのバランスがよく、応募者全体の主体性を高く評価しました。
 
当協会は、主たる公益事業である「実用数学技能検定(算数検定・数学検定)」の実施のほかに、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させてまいります。
 
 
<2019年「算額1・2・3」優秀解答者一覧> ※年齢は応募当時のものです。
【問題一】
最優秀解答賞:小松 さくらさん(立命館慶祥中学校1年生、12歳、北海道)
優秀解答賞 :伊藤 奈緒さん(静岡県西遠女子学園高等学校3年星組有志、17歳、静岡県)
       水内 結菜さん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
【問題二】
最優秀解答賞:髙橋 薫さん(静岡県西遠女子学園高等学校3年星組有志、17歳、静岡県)
優秀解答賞 :槙 愛さん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
       佐々木 くるみさん(立命館慶祥中学校3年生、15歳、北海道)
団体賞:朝日塾中等教育学校(岡山県)
    福岡県立鞍手高等学校(福岡県)
 
 
【「算額1・2・3」とは?】
算額とは、江戸時代の日本で、数学者や一般庶民の数学愛好家たちが額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納しあった歴史ある文化です。「算額1・2・3」は、当協会の理念でもある「算数・数学への興味喚起」を広く国民のみなさまに促すための活動の一環として、算額という古来先人たちが取り組んだ「数学の学びの文化」を現代に復興し、日本の数学文化推進の礎にしたいという想いから企画立案いたしました。東大寺はかつて学問寺として、学僧を養成する大学のような役割を果たしていました。また国内外において圧倒的な知名度をほこることからも、当協会が現代に算額を復興して奉納するお寺にふさわしいと考えました。また本企画は、「算数・数学に興味をもっていただく機会の増進」「算数・数学を通じた人々の交流の活性化」などを目的としています。
 
 
【1月23日は「算額文化を広める日」】
公益財団法人日本数学検定協会が制定。「算額」を現代に復興して「数学の学びの文化」を広めるのが目的です。日付は1・2・3の数字の並びはだれもが最初に接する数学文化の1つであることから1月23日になりました。
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